【努力最小化・成果最大化】頑張るのではなく、簡単に楽しく成果を出す「エフォートレス思考」




成果を出すためには努力が必要だ、と考えている人は少なくないはずです。今回はそんな人の考え方を180度変えてしまうような1冊「エフォートレス思考」をご紹介したいと思います。

人生をいかに楽しく生きるか?いかに攻略するか?

本著では頑張るのではなく、簡単に楽しく成果を出すことに重きを置いています。常に「どうすれば簡単にできるか?」「どうすれば楽しくできるか?」を考えられるようになるためのヒントを探してみましょう。

本著は2014年に出版された「エッセンシャル思考」の続編となります。

エッセンシャル思考では「何を優先するのか」ということに焦点が当てられていましたが、今回のエフォートレス思考ではその優先することを「どのように簡単に実行に移すのか」という点に着目しています。

本著は3つのパートで成り立っているので、それぞれのパートに沿って解説をしていきましょう。

:エフォートレスな精神

本著でエフォートレスな精神とは、心身の状態が良く、頭がスッキリとしていることを指します。

負の感情や煩わしいことで頭がいっぱいになっているような状態ではなく、頭の中がクリアな状態です。

では、エフォートレスな精神を手に入れるための心得を紹介していきます。

がんばれば成果がでるとは限らない

まず、頑張れば成果が出るとは限らないことを肝に銘じましょう。

日本では特に、楽をしながらお金を稼ぐことに対して、何か後ろめたさを感じる人が多いと思います。

しかし、頑張りすぎて心身ともにボロボロになってしまっては意味がありませんし、健全な状態とは言えません。

本著では、大事な仕事を遂行できないのは、困難な仕事だからなのであり、簡単な方法を探していないから困難なのだと説いています。

困難な仕事をやり遂げようと気合を入れるのではなく、どうしたら簡単に終わらせることができるだろう?

と思考をシフトすることが重要です。

一つの発想の転換として、困難な仕事へのアプローチを180度逆転してみることがあります。

逆から考えてみると見落としていたことに気づける場合があるのです。

我慢を楽しいに変える

また、嫌いなことを我慢するよりも、楽しくできる方法を模索しましょう。

仕事は遊びではない、と考えている人も多いでしょうが、本著では仕事も遊びのように楽しく取り組むことができる方が良いと述べています。

例えば音楽を聞くことで気持ちが高まるのであれば、音楽を聞きながら仕事に取り組むことも良いでしょう。

重要な仕事ほど、楽しいことと掛け合わせることで自分の取り組み姿勢もより積極的なものとなり、より良い成果につなげることができます。

身近な例として、食べることは好きでも後片付けは苦手という人もいるでしょう。

この場合は、好きな音楽を聞きながら後片付けをする、という方法を取ることで、嫌な時間も楽しい時間に変えることができます。

我慢するよりも、苦の時間をより楽しむためにはどうしたら良いかという点に着目してみましょう。

頭の中の不用品を手放す

さらに、日頃から不満ではなく、感謝に目を向けてみましょう。

そうすることで、不足思考(後悔や妬み、不安といったネガティブな思考)ではなく、充足思考(楽しみや喜びなど)に変えることができます。

負の連鎖ではなく、ポジティブな連鎖を生み出すことで、より良い循環を生み出すことにもなります。

しかし、人間誰もが不満を言いたくなる時もあるでしょう。

それでも、不満を1つ言ったら感謝も1つ口に出してみましょう。

そのような習慣をつけることで、次第と感謝に目を向けられるようになります。

「休み」で脳をリセットする

忙しく働くことが正しいことのように思われていると、休みを取ることに躊躇を覚える人もいるでしょう。

日本では海外と比較しても有給消化も少ない傾向にあります。

しかし、しっかり休むことは高いパフォーマンスを発揮するためには不可欠です。

体が資本のスポーツ選手はオフの時にはトレーニングをしていることもありますが、しっかりと休息を取ることも心がけているそうです。

それは、休息こそが高いパフォーマンスにつながることを実感しているからでしょう。

また、自分の疲れがどの程度で回復するのかを理解しておくことも重要です。

1日の疲れはその日のうちにリセットできるよう、自分の回復力を超えた疲れを溜め込まないようにすることも重要です。

休む目安の一つは睡眠時間です。

1日の睡眠時間が7時間未満の人は病気になりやすいことや、10日間睡眠不足が続くと徹夜と同じ状態になってしまうなど、パフォーマンスが落ちると言われています。

たっぷりと睡眠を取ることは、起きている間の活動の量や質に必ず影響します。

今、この瞬間にフォーカスする

あなたは人の話をきちんと聞けていますか?

話を聞きながら他のことを考えていたり、スマホをいじっていたりなど、目の前のことに全神経を集中させられている人は少ないかもしれません。

聞きながら他のことを考えない、というのは意外と難しいことなのです。

頭の中に他の情報が入っていると物事を正しく理解することに悪影響が出ます。

今この瞬間に集中することを心がけましょう。

:エフォートレスな行動

次にエフォートレスな行動について解説していきます。

エフォートレスな行動とは、価値を生み出す最低限の手順に注目することです。

これは習慣とも似ています。

では、エフォートレスな行動の実践法を見ていきましょう。

ゴールを明確にイメージする

ゴールが曖昧だと、どこに向かって走っているのか分からなくなってしまい、途方にくれてしまいます。

また、ゴールをいつまでも修正していると、ゴールにたどり着けなくなってしまいます。

明確なゴールを決めたらまずはそれを達成することに集中しましょう。

ゴール設定の際にはリターンとコストを考えることも大切です。

例えばプレゼン資料を作る際、完璧を目指す必要はありません。

これくらいの時間をかけてこれくらいの情報を伝えることができれば良い、という程度で構わないのです。

プレゼンの本質は相手に伝えることにあるので、余計な時間を費やしてフォントや図形の配置など細部にこだわり、美しさを求めることは誰も必要としていないのです。

また、仕事をする上でTo Doリストを活用している人もいるでしょう。

しかし、仕事を進めているとTo Doが次々と増えていき、一日が終わる頃には最初に比べて消化しているどころか逆に増えているという経験はないでしょうか。

そのような状態が続くとモチベーションの低下にもつながりかねません。

今日できればやりたいことリストではなく、今日絶対に終わらせなければいけないリストを作り、毎日消化できるようにしましょう。

それが気分良く一日の仕事を終わらせることにもつながり、明日への活力となります。

手順を限界まで減らす

何かの手順を1つ削るよりは、不要なステップを全て削ってしまった方が高い効果が生まれます。

今までamazonで買い物をしたことがある人はご存知でしょうが、amazon1クリックで購入できる仕組みを導入しています。

買い手にとっては商品の選択決済という2つの手順しか必要ないのです。

また、限界まで減らすための方法として、現在あるものから削除するやり方以外に、ゼロから考え直すということも挙げられます。

一度作り上げたものであっても修正点が多いのであれば、ゼロからシンプルに作り直してしまった方が効率的な場合もあるのです。

早く着くために、ゆっくり進む

最初から大きく完璧なゴールを設定してしまうと、なかなかゴールにたどり着けずに疲れてしまったり、燃え尽き症候群にもなってしまったりしかねません。

最初から頑張りすぎないペースで始められるようなゴール設定が必要です。

また、自分の余力がある日でも、一定のペースを守ることも必要です。

マラソン選手が急に加速したり減速したりすることは見たことがないでしょう。

仕事も同様に、一定のペースで進めていくことが重要です。

下限と上限を決めて、毎日の仕事等の進捗はその範囲内に収まるようにしましょう。

例えば下記のようなイメージです。

タスク

上限

下限

SNS発信する

15

11

商談をする

13

11

:エフォートレスのしくみ化

エフォートレスのしくみ化は、自動的に成果が出るようにすることです。

では、どのようにしくみ化を実現するのか、その方法を見ていきましょう。

一生モノの知識を身につける

成果を複利のように伸ばすためには、原理原則をしっかりと身につけることが重要です。

試験勉強で詰め込んだ知識は翌日には忘れているということ経験は誰しもあるのではないでしょうか?

しかしながら、小学生の頃に覚えた九九やABCなどは一生経っても忘れないものです。

また、しっかりと習得するためには人に教えることも一つの手です。

誰かに教えるためには自分自身が内容をきちんと理解できている必要があります。

そのため、理解しようとする際にも集中力が増し、学びの質が高まります。

勝手に回るしくみをつくる

私たちの脳にも限界はあるため、全て自分の記憶などを頼りに物事を進めようとすると失敗が起きかねません。

そのため、何かルールを決めて思考を介さなくても勝手に回る仕組みを作り出すことも必要です。

身近な例として、メールのフォーマット化やエクセルのマクロの活用などがあります。

在庫の発注や納期連絡など、依頼内容が同じであればメールのフォーマットを作成しておくことで、担当者が不在の時でも代行の人が同様の仕事をすることができますし、仕事内容が誰かの記憶に依存することもありません。

今は乾燥機能付きの洗濯機や食洗機、ロボット掃除機など自動化された様々な家電もあるので、それらの活用も勝手に回るしくみの一つと言えるでしょう。

不信のコストを削減

仕事のチームの効率を上げるためには、信頼できる人を集めることが不可欠です。

アメリカの投資家であるウォーレン・バフェットは信頼できるパートナーの条件として3つ挙げています。

  1. 誠実さ
  2. 知性
  3. 自発性

信頼できる相手をパートナーに選ぶことで、コミュニケーションの方法に気を遣ったり、ダブルチェックの手間を省けたりするなど、時間的にも精神的にも負担を減らすことにつながるのです。

ビジネスの上では信頼できる人を雇うことこそが、仕事の内容を差し置いてでも重要な事項であると言っても過言ではありません。

また、問題が起こる前や問題が小さいうちに芽を摘んでおくことも大事です。

何かトラブルになりそうなことがあれば後回しにせず、すぐに対応する癖をつけましょう。

また、定期的に自分を苛つかせているものはないか、問題を放置するとどれくらい解決までに時間を要することになってしまうのか、すぐに行動に移せる解決策はないのかを模索しましょう。

その際、目先の問題を解決しようとするのではなく、問題の本質に目を向け、根本的な解決に目を向けることも重要です。

さいごに

以上エフォートレス思考について解説してきました。大半の人が努力をすれば成果を手に入れられる、より大きな成功を掴むためにはさらに努力を積み重ねなければいけないと感じていたと思います。

しかし、本著を読み終われば努力をせずに成功を手に入れられることができることが理解できるようになっています。

成果を出そうとがむしゃらに頑張っているものの成果が出なくて辛いと感じている人や、頑張ることに疲れてしまった人にはぜひ手に取っていただきたい1冊です。

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