よくセミナーでお話する内容です。私がコンサルタントとなって7年間お世話になった地元大阪の町。食い倒れの町、飲食店がバタバタと倒れていく町でした。開業してから、倒産までのタイミングがあまりに早い。その理由は・・・
経営の順番、一つ間違えると全て台無し
例えば分かりやすくあなたがお店を開業するとして考えてみてください。新規でお店をオープンする際、多くの経営者は、最初に派手な宣伝広告を行います。
開店時は、比較的予定していた開業資金に余剰資金がありますので、折込みチラシ、ポスティング、広告媒体への出稿等、まず商圏内に自店を認知してもらうことを目的に新規開店広告を躍起に行うのです。
業界の常識を信じるな
しかしながら、お客様の視点に立ったときに、この方法は、必ずしも正しいとは言い切れないのです。 あなたもこういった経験されたことがあるかもしれません。
家族で休日、どこかに夕食を食べにいこうと決めたとします。ポストを見ると、最近オープンしたばかりの感じのよさそうな飲食店のチラシがありました。
今晩は、この店に行こうじゃないか!
美しいチラシに家族一同期待に胸を膨らませて来店。でも実際お店に来てみると、食事もまあまあ、接客もまあまあ、すべてがまあまあ。悪くはないんだけど・・・確かにスタッフ全員、まだまだぎこちなく、気持ちはわかるんだけど、お世辞にも満足できる接客では、なかった。
あなたは、そういったお店に二回目来店したことがありますか?恐らく無いと思います。顧客心理として、期待していたほど良くなかった(期待値を下回る)お店の記憶は、普通でも悪い記憶として残るというよりは、顧客の記憶から抹消されていきます。
一番怖いのは口コミ
恐らく2度とそのお店に来店することはないでしょう。 しかしながら、最初のボタンの掛け間違いの恐ろしいところはここから始まるのです。 例えばこういうことが起こってしまいます。
隣の奥さんが以前、自分たち家族で行ったお店のチラシをたまたま持っていたとします。すると、あなたは相手の事を思って、言いました。
そのお店、そんなにたいしたこと無かったのよ
とあなた、「あらそうなの?」と隣の奥さん。 そうすると隣の奥さんは、ほぼ100%に近い確率で、そのお店に行くのは止めます。
これを、私たちは口コミのデフレスパイラルと読んでいます。口コミの威力は強力ですが、実は、良い噂よりも、悪い噂の方が広まるのが早いと言われているのです。
良い噂は、周囲の人、3人に伝わります。 悪い噂は、なんと20人以上にも伝わってしまうのです。
そうするとどうでしょうか?せっかくオープンしたお店も、すごいスピードで商圏内のお客様に悪い噂が広まってしまい、すごく早いタイミングで再起不能になってしまうのです。
大阪のおばちゃんの口コミスピードは、1人から100人に伝わります。一瞬で、悪い噂は広がり、最後は行った事のない人間までもが、「その店はたいしたことがない」と言い出すのです。
では開店時には、どうすればそのような事態を避けることができたのでしょうか?
サイレントオープン
お店をプレオープンしてから、約1ヶ月から3ヶ月の間は、あまり告知をしないで、 出来る限り、友人知人やその紹介だけで、お店を運営します。
その間に、お店のオペレーションから、 オープニングスタッフ間のコミュニケーションをなじませる、失敗を検証し、 マニュアル改善しメニューを作りなおすなどして、 一度来店してくれたお客様が、また来たい!と思ってもらえるようにする仕組みづくりをするべきなのです。
オープン当初はそういった検証改善期間にあてるのが正解です。 一度掛け違えたボタンを直すのは大変です。 集客にも戦略=優先順位があるのです。開業時にこの事を知っていると知らないとでは大きな違いがありますね。