よく他店がテレビに取り上げられているのを見て、羨ましがる経営者がいますが、私はキッパリ言いますが、テレビに取り上げられる事は、経営においては、むしろ逆効果であると言えます。理由は簡単ですが、本当に陥り安い、短期的視野のなせる失敗について、理由は二つです。
テレビの取材は諸刃の剣
もちろん、テレビに取り上げられることによって飛躍的に有名になり、評判が広まり、繁盛店になるお店もあります。が、しかし、ほとんどの店舗がこのメディアに取り上げられ有名になるほどの準備ができていないのです。理由は、二つあるのですが、
- 期待を持ってやってきたお客様の満足度が低く、2度と来店しない。
- 更に「あのお店は、たいしたことがない」という悪いうわさが広がる。
この2点がメディア取材の最大のリスクです。テレビでとても素晴らしいと評価されていたお店に、行きたくなるのは、間違いありません。どんな素晴らしいのか?と自然と期待も膨らみます。
遠くから車で何時間もかけて来店していただき、もしかすると行列に並んで頂くこともあるかもしれません。
期待値が高いと、裏切られた時には嫌悪感に変わる
期待が膨らむ=期待値が高い
という事なので、人の心理とは不思議なもので、あまり期待していなかったお店に言って、良いサービスを受けると感動します。
逆に、期待していたお店に行って良いサービスを受けても、それが当たり前のようにおもってしまうのです。期待されているお店は、常に、お客様の期待を上回るサービスを提供しつづけないといけないのです。
これは、これで、かなりのプレッシャーですよね。 テレビの期待以上のサービスを提供できる準備のあるお店は、有名店になることによって、大繁盛します。
しかしながら、その準備のできていないお店は、悲惨です。お客様は、期待を裏切られると、嫌悪に変わってしまいます。今までの自分の苦労が、徒労におわってしまい、2度と来ないということになってしまいます。
そしてそのお客様が来ないというだけでなく、
あのお店はたいしたことがない
という口コミを広げてしまいます。マイナスの口コミは、恐ろしいものです。良い口コミの5倍の人に広がると言われています。
さらにこの「たいしたことがない」というのが一番マズイ!口コミなんですね。「めちゃくちゃ悪い」と言われた方が、逆に少しは記憶に残りますが、「たいしたことない」という口コミは、行った事が無い人が行かなくなるのはもちろんこと、その後、まったく記憶に残らないのです。
かくして、テレビに取り上げられ、1時期は、繁盛店に仲間入りした錯覚に陥りますが、その半年後くらいには、とても悲惨な状況になってしまうのです。
新規出店の際も同じリスクが生じます
私は、そんなお店を沢山、見てきました。お店のオープンの際にも同じ失敗をしてしまう経営者がたくさんいますね。
開業当初は、やはり、費用を書けて折込チラシや広告など、費用をかけて認知してもらいたいという想いはよくわかります。
しかしながら、開業当初は、サービスの質も、接客の品質もどれだけ準備をしても、うまくいかない場合が多いのですが、そこに、沢山のお客様が来店してしまうと、お客様の期待値を上回るのは難しいですね。
開業当初は、あまり大きく告知をしないで、友人や知人、親戚に来店してもらって、とくに悪い点をしっかりとヒアリングして、お店を万全の体制にしてから、告知してお客様を受け入れるようにしましょう。
サイレントスタートの時に、改善すべきチェック項目
まず開業当初、気をつける点は、スタッフの接客時の動きです。ポイントとなるのは、やはりサービスの提供時間。
言うまでも無く、お客様は待たされることが、一番のクレーム要素。開業当初は、どうしてもあわただしくなってしまいますが、お客様には、すぐにそれが伝わってしまいます。
開業当初は、お客様もゆるしてくれるだろう・・・と思っていたら大間違いです。初めてご来店されたお客様は、その場でクレームを言ってくれればまだましですが、だいたい、心にとどめてその場では言わない。
しかしながら、退店後、待たされた事を大いに不満に感じ、他人に話してしまうのは世の常です。
まず開業当初は、まず、サービスの提供時間を早める事に全力を注いでください。
さいごに
そのほかにも、お客様から見えるエリアは、すべて整理整頓を心がけ、余裕を持って、お客様に優しい感謝の言葉をかけることができるくらいの馴れが必要になります。
飲食店であれば、料理の味も試行錯誤しながら、ブラッシュアップ。小売店であれば、商品の並べる位置も、色々と工夫しながら、来ていただいたお客様の意見を、是非反映させて、お店の運営自体を軌道に乗せてください。
それから意外に盲点なのは、お店がふと暇になった時ほど、ついついスタッフの気持ちが萎えてしまい、それがそのままお客様に伝わってしまうケースも多々あります。
暇になった時間こそ、気合いを入れ直して、できることを徹底させる。そんな指示を出すことも経営者の大時な仕事です。