【コンサル】不況は経営者を鍛える




経営者向けの講演会で、司会の方が必ず最初にお話されるのは、「未曾有の不況、100年に一度の大恐慌の中で・・・」というキーワード。

いつも不景気

私はいつも講演の初めに、「私がお手伝いさせて頂いているお店は、いつも最初は不況です」とお話させて頂きます。これだけ店舗商売が溢れる昨今、すべてのお店が好景気ということはありません。常に、不況からの脱出が当たり前なのです。

先日、とある町にコンサルティング訪問しました。その地域は製造業がストップしてしまい、またさらにその煽りを受けて、サービス業のことごとくが減収減益。私が調査させていただいた店舗12店中11店が、売上が2分の一、ひどいところでは、3分の1といった状態。

どんなときも儲かっているお店はある

しかしながら、1店舗だけは、不況どこ吹く風と、まったく意に介さず、40分の待ち行列。外観は、ありきたりな食堂なのですが、テレビ取材から全国のお客様が殺到している常態でした。

お店に入ってみると、変わらない活気がずっと続いていて、笑顔とその大盛りの量に感嘆の声が沸きあがっています。繁盛店は、ドアを開けた瞬間に分かると言いますが、まさにそういった情景でした。

私は今まで、赤字店舗を黒字店舗に変えるお手伝いをさせて頂いている中、その過程で「当たり前の事を徹底する」=「凡事徹底」の大切さを身に染みています。

「お客様に喜んでもらう」その当たり前のことを時流に関係なく徹底している店舗とそうでない店舗の違い。今回は、その違いと改善策についてお伝えしていきたいと思います。

不況は承認を鍛える

「不況は商人を鍛える」と申しますが、正に逆境こそ人を成長させる糧であると私も思います。赤字の続く店舗は、経営者自身が今までの商売人としての感覚・感性・経験を一旦否定して捉え、その改善点を自ら分析して実行しなければ、現状を打破することはできません。私は平素より、赤字経営者が犯す間違いと、繁盛店の考え方についてお伝えしてまいりました。

「小さなお店は、商圏を小さく設定して地元密着でやるべきだ」

例えば上記のような常識をお持ちの経営者の方もいらっしゃるかもしれません。確かに地域密着型経営は確かに大事です。

しかし、その言葉に便乗したカタチで、商圏を考えていると、実は繁盛店にはなれません。もともと、商圏とは、大型ショッピングモールが、出店する際に、その地域の見込み客が、自分の系列店と被らないように分析を始めたのがきっかけです。

小規模店舗で、このセオリーを真に受けると、商圏以外のお客様は、来店してくれないことになります。しかしながら冒頭でも申し上げました通り、繁盛店は、全国からお客様が来店されます。

ご自身としても、少々そのお店が遠くでも評判のお店に行ったご経験があると思います。一概に商圏を決めてしまうと、自店の商売の上限を自ら決めてしまうことになってしまいます。

「不況時に店舗を増やすのは自殺行為だ」

こういった常識をもたれている方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、不況ということは、一等地物件が格安で見つかる場合や、優秀な人材を採用しやすいなど、視点を変えると経営上非常に有利な点が沢山あるのです。今、開業・増店するにはうってつけの時期ともいえます。

「このお店は裏通りにあって、駅からも少し遠いから、ダメだね」

「世間様のニーズに合わせた商品(料理)を出さないと売れないね」

「利益を確保する為にまずは経費削減、仕入や人件費を見直そう」

「マニュアルどおりの接客では、お客様は喜ばない」

「アルバイトは、やっぱり責任感がないね」

「工夫して創ったチラシを配れば、集客できるはず」

他にも上記のような思い込みはズバリ、自店の可能性を経営者自身が捨てることになりますので、是非、不景気のこの時期にチャンスと捉え考え方を変えてみてください。

今までの店舗経営の常識を覆す経営の考え方が不況時でも繁盛し続ける店舗へ変わるためのヒントになるのです。

うまくいく店と、そうでない店

さてそれでは時流に流されない繁盛店とそうでない店舗の違いについてお伝えしていきたいと思います。ある地域で、似たようなお店。

商圏も同じ、業態も同じ、扱っている商品・サービスも似通っている。それなのに片や、行列のできる繁盛店、片や閑古鳥が鳴く赤字店舗。

この差はいったい何なのでしょうか?繁盛店のやっている事を真似すれば、繁盛店に変えることができるのではないか?と考え、実施してみますが成果はイマイチ。

他にも、巷で流行している集客できるチラシの作り方や、販促ツールの作り方、営業トーク、店先の看板の作成ノウハウまですべて実施してみました。しかしながら、どのノウハウを真似しても成果は現れない・・・どうしよう?と途方に暮れます。

上記のように、うまくいかない理由は、「戦略とは優先順位であり、戦術は目に見えるが、戦略は目に見えない」という、有名な言葉がありますが、まさにその通り。やっていることは、同じなのですが、実は、やっている順番を間違えていたのです。

例えば、多くの経営者は、売上を改善する際、まずはどのように顧客を集客するかのみを考えてしまいます。しかしノウハウを駆使しても、収益が上がるのは最初の一瞬だけ。何故、うまくいかないのか?それは、つまりこういうことです。

穴をふさぐには?

バケツの水を注ぐ前に、まずは、空いている穴を塞がなければなりません。ようするに、新規集客をする前に、失客を防ぐことの方が、優先順位が高いということが分かりますね。

お客様を呼ぶ前に、お客様に満足して頂ける仕組みを構築しておくことが肝心です。どれだけ新規客を呼んできても、一回の来店で終わってしまう。さらに新規客の開拓にはお金がかかってしまう・・・それでは、どのようにすれば、このバケツの穴を塞ぐことができるのでしょうか?

くわしくは明日のブログに続きます。

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