経営理念の作り方とお店の憲法とは?








前回では、口コミを起こすための物語作りのために、まずは、開業当初の想いを思い出してみましょうという事をお伝えしました。当初の熱い志や思いは、開業して5年ほどで風化してしまう傾向があります。自店の物語(ストーリー)を考える上で、開業当初の想いは、ともて大事な要点になりますので、その時の記憶を思い出してみてください。そして、自店の分析をする際に有効な、「魔法の6質問」についてお伝えしました。

この6つの質問を経営者自身で考える事によって、お店の分析を客観的に考えて分析することができます。この分析結果をもとに、これからブランディングの最大の要点となる、理念の作成に移りたいと思います。

経営理念は、経営の柱・お店の憲法

店舗にとっての経営理念とは、そのお店の存在理由とも言えます。あなたのお店が、この世の中に必要な理由。その理由が無ければ、このお店を存続させる必要がありません。
そのお店が存在する理由。それはイコール、経営者の目的と一致します。

あなたのお店が、経営者自身のために、働く従業員のために、お客様のために、地域社会のために、そして、世の中のために、提供する価値は、いったい何でしょうか?

さらに、店舗にとっての経営理念は、お店の憲法とも言えます。この憲法を基にすべてのスタッフが働きます。マニュアル作りも、接客態度も、商品もサービスも、この憲法にそぐわないものは、すべて却下します。逆にその理念に沿うものは、全て採用です。もちろん経営者であるあなた自身も、その憲法に基づいて、経営判断を行っていく必要があります。

それでは、この経営理念の具体的な作り方について、触れていきたいと思います。

経営理念の作り方

早速ですが、下記の7つの質問に答えてみてください。

  1. 創業時の想い・目的を明確にしてください。
  2. 自分自身が、経営者である理由・目的を考えてみてください。
  3. 顧客にとって、そんな価値を提供したいと思いますか?
  4. 従業員に対して、どんな価値を提供したいと思いますか?
  5. 従業員にとってどのような経営者で在りたいですか?
  6. 地域社会に対して、何か提供したい価値はありますか?
  7. 世の中に対して、訴えたい、あなた独自の価値は何でしょうか?
  8. これらのことを実現する為に、実践することは、何がありますか?

上記の質問への答えが具体的に文章で思い浮かばない場合は、下記のキーワードから連想していただくと文章にしやすくなります。

1.愛 2.いたわり 3.援助 4.思いやり 5.感謝 6.完全
7.希望 8.勤勉 9.謙虚 10.献身 11.健全 12.向上心
13.公平 14.最善 15.正直 16.純粋 17.従順 18.実践
19.信仰 20.親切 21.栄養 22.慎重 23.真剣 24.真理
25.信用 26.信頼 27.正義 28.成長 29.誠実 30.責任感
31.善良 32.尊敬 33.慎み 34.忠実 35.道徳 36.努力
37.忍耐 38.熱心 39.平安 40.平穏 41.平和 42.奉仕
43.誇り 44.真面目 45.約束 46.優しさ 47.安らぎ 48.勇気
49.喜び 50.礼儀正しさ 51.自己実現 など

どうですか?この質問に答えることによって、あなたオリジナルの経営理念が見えてきましたでしょうか?もちろん100点満点をいきなり目指すのには無理があります。ある程度、日々の経営の中で、アレンジし、改善していくことが必要になってくるでしょう。まずは完璧を求めず、楽しんで経営理念を創ってみてください。

理念から物語(ストーリー)を作り上げる

そして次に、上記の店舗の経営理念ができた経緯、そして過去の苦い経験、成功した要因、これからの夢、それを達成するために何を頑張っていくのか?そのような、経営理念に関する全ての事柄が、あなたと、あなたのお店の物語になっていきます。

私のクライアントで、「楽しく、楽しんで、楽しませて、気取らないおもろい空間」をコンセプトにした焼き鳥居酒屋があります。そこの店主は、20代前半で実は引きこもりになり、うつ状態。そこから脱出するきっかけは、近所の焼き鳥居酒屋の店長でした。ずっと話を聞いてもらううちに、少しずつ癒されもう一度社会復帰を決意したそうです。

そして居酒屋で修行を始め5年後、独立し、現在は1年に1店舗、増店されています。そのときの恩返しのために、少しでも引きこもりやウツ、強いては自殺まで悩んで苦しんでいる若者の力になりたい、少しでも多くの若者を救いたい!という志のもと経営されています。

こういった、本当の想いが、顧客に届き口コミで広がるのだと私は考えています。
ここは、納得いくまで、ゆっくり考えて見てみてください。そして出来上がったブランドを友達や、家族に伝えてみてください。そこでどのような反応があるか?しっかり確認して、検証して、改善を繰り返して、ブランド(人・商品サービス・ストーリー)を作り上げてください。次回は最終回ですが、作った理念・ブランドを、どのように顧客につたえていくのかをお伝えしたいと思います。

今回のポイント

  1. 経営理念はお店の憲法
  2. まずは理念を作ってみよ。
  3. 物語は、逆境や挫折から始まる

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