前回では、集客するために、広告に依存してはいけない。繁盛店が、集客の際に最優先しなければならないのは、紹介客、口コミを広げることです。そして、繁盛店の公式は、
繁盛店=今月の固定客数>前月の固定客数
ということを、お伝えしましたね。毎月、リピーターといわれている、二回目以降の来店客の総数が、前月を上回るこという意味です。新規のお客様をどれだけ集めても、二回目のリーピートがないと、そのお店は、新規のお客様を集めるのに、広告費を使い切ってしまって、あとは廃れるのみ。実際そういったお店が開店1年以内に潰れてしまうというケースが多々あります。
では、どうすれば、一度来店したお客様が、また来たいと思えるお店にすることができるのでしょうか?そして、その答えが、結果、口コミでの紹介客を増やす結果に繋がるのです。今回は、その戦略と紹介客増加の関係性についてお伝えしたいと思います。
新規開店時に犯す間違い
新規でお店をオープンする際、多くの経営者は、最初に派手な宣伝広告を行います。開店時は、比較的予定していた開業資金に余剰資金がありますので、折込チラシ、ポスティング、広告媒体への出稿等、まず商圏内に自店を認知してもらうことを目的に広告を躍起に行うのです。
しかしながら、お客様の視点に立ったときに、この方法は、必ずしも正しいとは言い切れないのです。皆様もこういった経験されたことがあるかもしれません。家族で休日、どこかに夕食を食べにいこうと決めたとします。ポストを見ると、最近オープンしたばかりの感じのよさそうな飲食店のチラシがありました。
「今晩は、このお店に行こう!」
美しいチラシに家族一同期待に胸を膨らませて来店。でも実際お店に来てみると、食事もまあまあ、接客もまあまあ、すべてがまあまあ。悪くはないんだけど・・・確かにスタッフ全員、まだまだぎこちなく、気持ちはわかるんだけど、お世辞にも満足できる接客では、なかった。
読者の皆様は、そういったお店に二回目来店したことがありますか?
恐らく無いと思います。顧客心理として、期待していたほど良くなかった(期待値を下回る)お店の記憶は、普通でも悪い記憶として残ってしまいます。恐らく2度とそのお店に来店することはないでしょう。
しかしながら、最初のボタンの掛け間違いの恐ろしいところはここからです。
口コミのデフレスパイラル
例えばこういうことが起こります。隣に奥さんが以前、自分たち家族が行ったお店のチラシを持っていたとします。
「そのお店、そんなにたいしたこと無かったのよ」「あらそうなの?」
と。そうすると隣の奥さんは、週末に行こうと思っていた予定を変えてしまいますよね。これが、私たちは口コミのデフレスパイラルと読んでいます。口コミの威力は強力ですが、実は、良い噂よりも、悪い噂の方が広まるのが早いと言われています。
良い噂は、周囲の人、3人に伝わります。悪い噂は、なんと20人以上にも伝わってしまうのです。そうするとどうでしょう、せっかくオープンしたお店も、すごい速さで商圏内に悪い噂が広まってしまい、早いタイミングで再起不能になってしまうのです。
では、開店時は、どうすればよいでしょうか?私がオススメしているのは、サイレントオープンというやり方です。お店をプレオープンしてから、約1ヶ月から3ヶ月の間は、あまり告知をしないで、出来る限り、友人知人やその紹介だけで、お店を運営します。
その間に、お店のオペレーションから、オープニングスタッフ間のコミュニケーションをなじませる、失敗を検証し、マニュアル改善するなど、一度来店してくれたお客様が、また来たい!と思ってもらえるようにする仕組みづくりをするべきなのです。
一度掛け違えたボタンを直すのは大変です。集客にも戦略=優先順位と順番があるのです。
良い口コミを増やすためにお店がやるべきこと
私は、コンサルタントという職業について始めの頃は、いかに、広告に依存せずに集客できる方法は無いか?ということを考えていました。そして、まずは集客にも順番があるということがわかったのです。その順番さえ間違わなければ、お店は繁盛するはずだ!ということです。しかしながら、集客の要素は、経営の一部分に過ぎず、本当に、人が紹介したくなる店舗というのは、下記に紹介する優先順位12ステップをすべて優先順位通り実施されているお店だということが分かりました。
優先順位
- 12番 顧客単価の向上
- 11番 新規顧客の集客
- 10番 既存顧客をリピートさせる為の施策
- 9番 接客・サービス品質の向上
- 8番 スタッフ・組織のモチベーション管理と運営方法
- 7番 スタッフの採用業務
- 6番 財務管理
- 5番 事業計画の立案
- 4番 ブランディング施策立案
- 3番 経営理念の確立
- 2番 自店の徹底分析
- 1番 経営者の意識変革
以上です。この優先順位を見て意外に思う経営者の方もいらっしゃるかもしれません。あえて優先順位を逆にしました、通常、店舗経営者が陥りやすい失敗は、この順番を12番目から順にやろうとしてしまうことにあります。次回は、この優先順位について詳しくお伝えします。
今回のポイント
- 集客にも順番があることをを知る
- 口コミには、良い口コミと悪い口コミがある
- 経営戦略には12ステップある