著者 富田英太よりご挨拶
平素よりお世話にあんっております、店舗経営黒字化コンサルタント富田英太です。 この度、拙著『社長は全部好き嫌いで決めなさい』(あさ出版1,404円)が出版されました。
今回の著書は、「長く続く企業とは?」をテーマに4年前から企業インタビューをさせていただき、経営者の特性や経営に対する取り組み方、時間の使い方を調査・分析した結果、どうもこれは?!・・・
経営は経営者次第
現在、企業寿命を鑑みたとき、3年で40%、10年で90%もの企業が消滅していくと言われています。しかしながら、そんあ現状の中で、30年も60年も100年も続く企業が存在しているのも事実です。その確率は、0.00・・・%。その数少ない永続企業には、共通点が存在するのでしょうか?経営は経営者次第と公言している私のこんな視点を本にまとめました。
従業員100人までの企業は99.99%経営者の意識次第
今回の新著は、経営者、特に創業者から、事業承継に至るまで、長期経営に成功している企業にインタビューしながら、私自身の視点を盛り込み、これから創業する人、事業承継される側の経営者のひとつの指針と、勇気とチャレンジ精神に繋がればと思い執筆いたしました。
仕事は、わがままにやっていいんです(序章の一部紹介)
■かつて、仕事は「苦行」でした
「やりたいことを仕事にする」
「大好きなことを仕事にして生きていきたい」
「仕事をするのが楽しくてしかたがない」
そんなふうなキャッチコピーを目にしたのはもう一〇年以上も前、就職情報誌の中吊り広告かなにかだったと思います。当時、私はまだ二〇代の半ば。まだまだ世間知らずの青二才でした。
率直にいって、「やりたいことを仕事に」なんて、もう何十年も前からある、ごくありふれたキャッチコピーです。定番的ではあるでしょうが、「いまさら感」は否定できません。それは一〇年前でもそうでした。
にもかかわらずこれらの言葉に胸を衝かれたのは、そのときの私が仕事にやりがいや楽しみを見つけることができていなかったからではないかと思います。
私にとって、仕事とは端的に「苦行」でした。
楽しくない。
面白くない。
面倒くさい。
だけど、生きていくためにはお金が必要。そのお金を稼ぐためには、嫌々でも仕事をやらざるを得ない…。
(子どものころは夢やワクワク感がいっぱいあったのにな…)
(いつの間にかそんなものは全部なくなっちゃったな…)
(でも、好きなことをやって生活していけるほど世の中は甘くないし…)
そんなふうに世をはかなみ、よろず物ごとを悲観的に捉えていたのが他ならぬ富田青年(当時)でした。
ところがそれから幾星霜。青年はいつしか中年になってしまいましたが、その富田おじさんはといえば若かりしころの煩悶はどこへやら、すっかり満ち足りた日々を送るようになっています。
いったいどうして? 理由は簡単。
やりたいことを仕事にできているからです。
大好きなことを仕事にして生きているからです。
仕事をするのが楽しくてしかたがないからです。
おかしなものですね。本項冒頭でご紹介したキャッチコピーのようになったら、それまでの私のありふれた人生は一転して輝きを増し、かけがえのないものになってきた。
私はあなたに、そんな体験をしていただきたいのです。その思いこそが、本書の筆を執る最大の動機となりました。
念のため申し上げますと、「世の中は甘くない」という認識はいまでも変わっていない…、というよりむしろ強化されていますよ、もちろん。でも「世の中は甘くない」からといって、「楽しい仕事なんか存在しない」ということにはならないんです。
■仕事が楽しくなれば人生が楽しくなる
二〇代のころの私にとっては苦行でしかなかった仕事。それを少しずつ楽しいものに変えてきたことで、ひとつの真理が見えてきました。
それは「仕事が楽しいということは、人生が楽しいということに等しい」というものです。
だってそうでしょう? 人は毎日八時間は仕事をしており、なおかつそれを四〇年くらいに渡って続けるんですから。
…って、さらっと書いちゃいましたけど、「八時間」といえば一日の三分の一ですし、「四〇年」は平均寿命のざっと半分ですよ。それだけの時間を費やす以上、仕事が楽しいかどうかが、人生の楽しさを左右しないはずはありません。
昨今では「仕事は仕事、プライベートはプライベート」と分けて考える人が主流になっているみたいですけれど、私にいわせれば両者はコインの表裏、不可分のものです。あえて分けて考えるのは、あまり建設的ではないと思います。
いや、このさいもうはっきり書いちゃいましょう。
人生を楽しくするためには、仕事が楽しくあることが大事なんです。
同じ人生なら、少しでも楽しいに越したことはありませんよね? 苦行僧とかでないかぎりはだれだってそうですよね?
…と、おや? こんな反論が聞こえてきました。
「好きなことを仕事にできるなんて、飛び抜けた才能を持った人だろう」
「あるいはよほど余裕のあるお金持ちだけだ」
「うちみたいな零細自営じゃ関係ないよ」
「いずれにしてもほんの一握りの人の話さ」
あなたがそういいたくなるお気持ちはよーくわかります。だって前項で述べたように、私自身もかつてはそんなふうに–、つまり能力と資金力に恵まれていなくては、好きなことを仕事にはできない、と考えていた時期があったわけですからね。
でも! でもですよ。
そんなふうに思われるかたは、ちょっと私を見てください。ここでこういうことを表明するのもやや忸怩たる思いですが、私は世間的には「落ちこぼれ」といわれるタイプの人間だったんですよ。
これは過去の著作にも書いていることですが、私は大学受験には失敗するわ、祖母から引き継いだ事業は力不足で閉鎖を余儀なくされるわ、何度か起業しては失敗するわで、だから別にこれといって優秀であるわけでも、特別な能力があるわけでもありません。いわずもがなですが、資金力はもっとありません。
いま、本書を手にお取りのあなたがどんな人であるかは想像するしかありません。しかし、まず間違いなく私のほうがトータルな資質では劣る人間であるはずです。
そんな私でも、好きなことを仕事にできたんです。
「仕事が楽しい」と思えることができたんです。
私のような凡庸な人間でもできたんです。であれば、あなたにも同じことができないはずはないんです。
■「成功」に才能もお金も必要ない
私はたまたまご縁があり、経営コンサルタントとなって口に糊しています。職業柄、これまで六〇〇〇人を超える経営者とお話をさせていただく機会に恵まれました。
私は、とにかく、
「好きなことを仕事にすることができた経営者は、どんな資質の持ち主なのか」
「逆に、好きなことを仕事にすることに失敗した経営者は、なぜ失敗したのか」
の二点について経営者のご意見を拝聴し、また経営者ご自身をじっくり観察・研究してきました。
その経験に照らして、才能がなければ好きなことを仕事にはできない、お金がないと好きなことができないというのは「違います」と断言します。
びっくりするくらい能力があるのに、意にそまぬ仕事を嫌々やっている経営者はたくさんいます。それは、あなたが想像する以上にです。
その一方で資金的には苦しいのに、やりたいことを仕事にできて毎日楽しそうにしている経営者も決して少なくありません。
どちらがいいかは人それぞれの価値観でしょうが、私だったらためらわず後者を選びますね。
だって、やりたくもない仕事で大金を稼いでも楽しくはないでしょう? そして、仕事が楽しくなければ人生も楽しくないことはすでにご説明しました。
いいじゃないですか、お金なんて「そこそこ」程度にあれば
一般に「成功」というと、年商とか月収とかで計られます。つまりは数字です。もっと有体にいえば金額です。これが大きければ成功、小さかったら失敗。
私はそういう考えかたを否定するものではありません。第一、私だってお金はもちろん大好きです(いまのところ片思いのままなのが残念でなりません)。
でも私は一方で、こんなふうにも考えます。金額の多寡は、あくまでも成功度合を計る尺度のひとつ、one of themでしかない、と。
あるいはまた、こういうふうにも考えます。好きなことが仕事にできているか。やりたいことがやれているか。もって充実した人生を送ることができているか。そんな物差しで成功したかどうかを判断してもいいはずだ、と。今後本書では、特に断りがない限り「成功」という言葉をその意味で使います。これを「きれいごとだ」とはどうか思わないでください。
さて私は、経済的にはともかくとしても「好きなことが仕事にできている」という点において間違いなく成功しているといっていい人間です。そして私は(僭越ながら)成功した者として、本書を手に取られたあなたにも成功の美酒を味わっていただきたいと思う。
くどいようですが、大切なことですのでもう一度述べます。
成功するのには才能もお金も必要ありません。ただ、いささかの情熱と粘り強ささえあればいいのです。
ご紹介いただきました!
ライフハッカーブログ「これからの経営者にとってわがままであること」
「経営は好きか嫌いかで決めていい」、つまり「わがまま」に振る舞っていいと著者は断言しますが、そもそも「わがまま」とはどういうことなのでしょうか? 一般的には自分勝手、無責任などマイナスのイメージでとらえられがち。しかし辞書で引いてみると、「自分の思いどおりに振る舞うこと」というような定義が最初に載っているはず。「自分勝手」は、そのあとに続いてくるものだといいます。つまり「わがまま」とは、必ずしも悪い意味ではないということ・・・
書籍購入はこちら
社長はぜんぶ好き嫌いで決めなさい
- 単行本(ソフトカバー): 215ページ
- 出版社: あさ出版 (2015/10/16)