いつの世も、組織改革は本当に大変です。これで正解!という解があればいいのですが、十人十色。人の性格の数だけ、組織改革の方法は無数にあります。それでもチームの当たり前のレベルを上げるために私が実践しているひとつの方法をお伝えしたいと思います。
理想のスタッフ像になることを、全員の目標とする
今日、お伝えしようと思っているのは、組織運営の本質的部分ではなく、戦術・具体的な手法になります。
スタッフ全員のレベルの底上げを行うために、やみくもに良いスタッフになれ!と命令しても無駄の極みです。そこには共通の目標
理想とするスタッフ像がどんなスタッフなのか?
を持つ必要があります。
可能性を信じ、小さな目標を設定し続ける
まず大前提として「チームの育成」に大切なことは、そのチームを編成するスタッフの可能性を信じること。そして、小さな目標を設定し
自分にもこれならできるかもしれない
と思ってもらい、それを実際に達成させるという成功体験を細かく積み上げていく環境を用意することですね。
人は大きな目標を達成することよりも、小さな目標を何度も達成する方がモチベーションがあがります。
実際の人を理想とするリスクを把握する
次に、経営に理念というように、組織にも働くスタッフの、その理想像を明確に設定しておく必要があります。
例えばこの理想像を一人の具体的な人(例えば店長など)にしてしまうと、もちろん経営者や、そのお店の店長や、マネージャーも、いつか間違いを犯す時もあるはずですね
そんな彼らを従業員は、モデルとしてしまい、 組織全体が思ってもいないような人材の集まりになってしまいます。
ベンチマーク
そこで「ベンチマーク」 という言葉があります。コンサルティングの用語で、
他社の優れた ところを学び、それを基準にして自らの業務や経営を改善する手法
という意味です。
つまり、組織上では、自分以外の誰か優れているスタッフを基準にして、自分と比較して、自分の課題を改善していくと言う手法です。
なぜベンチマークが必要かというとスタッフが複数人いる場合は、全員を平均して育てていくということは、経営者の労力的にも不可能です。
そこで、お店のスタッフの理想像を設定して、その理想像を全員で目指す(べンチマーク)という方法を使います。
しかしながら先述したとおり、一人の実際の人をベンチマークするとリスクが発生するので、私は、お店のスタッフの理想像を決定するために、360度評価による魅力発見ワークを使います。
360度評価による魅力発見ワーク
まず360度評価についてですが、これは、普通の企業やお店であれば、評価というのは、基本上司が部下に対して行いますね。
360度評価と言うのは、上司から部下だけの方向ではなく、部下から上司に対して、同僚から同僚に対して、すべての方向で 評価をしあうというやり方です。
次に魅力発見ワークについてですが、評価というと日本人はついつい悪いポイントや、改善点などをピックアップしてしまいがちですが、このワークでは、相手のプラス面しか評価しません。
つまり、相手のいいところをどんどん発見していくワークです。
360度評価による、魅力再発見ワークとは、経営者始め、役職関係無く、アルバイトも含めて、全員が全員の良いところ、魅力、プラス面を発見して伝えていくというワークです。
スタッフ全員で褒めあう(ちょっと照れますが)
人の魅力は、3つのカテゴリに湧かれます。それは、
- 内面の魅力
- 外面の魅力
- その人が持つ能力・スキル
空白の紙にシートに、自分の名前を書いて、スタッフ全員でまわします。紙を受け取ったスタッフは、何でもいいので、その人のいいと思うところを書きまくります。それをスタッフ全員に回していきます。
そしてすべての魅力を、上記の3つのカテゴリにわけます。
お店の理想像をつくるために、魅力をピックアップ
そして、集まった魅力の中から、自店のお店のスタッフとして、理念とたらし合わせて、望ましい魅力を、3つのカテゴリからピックアップしていきます。
そして、その中から、自店の理念にふさわしい魅力をピックアップし、ベンチマークすべき、お店のスタッフ理想像を完成させて、スタッフ全員で、 その理想像をベンチマークしていくという方法をとります。
さいごに
もちろん、理想像を明確にするためにも使いますが、悪いところを指摘しあうとどんどんチームの雰囲気は悪くなりますが、人のいいところを評価するというワーク自体が、スタッフ間の絆を深めコミュニケーションをプラスに働かせる効果があります。
私も明日クライアント企業でこのワークを実践してきたいと思います。