優秀なスタッフの採用術




育成の前に採用ありということで、経営上で最も難しい「スタッフの採用方法」についてお伝えしていきたいと思います。

計画を立てて、お店の数字の管理の方法も学び、集客して売上を上げる。しかしながら、どれだけ経営者が、努力し頑張っても一人でできることは限られています。そこには必ずスタッフの力が必要になってきます。

スポーツの世界でもそうですが、組織を運営する前に、必ず、採用を行いますね。採用に徹底的に力を入れているのは、その後の組織運営や教育において、採用時点で、その人材が、自店に相応しい人材かどうか見抜くことが、最も大事なことだからです。

その為に、まず自店に必要な人材の理想像を明確にしておくということが必要です。しかしながら、率直に言うと、そもそも面接の時点で、優秀なスタッフを見極めることは、非常に難しいのです。そこで採用面接を行う前から、採用広告・チラシを配布する時点で内容を工夫し、面接希望者をしっかりと事前に選別できるように、理想の人材像を踏まえた採用基準を採用広告には必ず掲載してください。

採用を行う際に、あなたは、その採用希望者のどんなところを見ようとしますか?外見、性格、スキル、トーク、雰囲気などなど、様々な観点から、あなたは、この人物と自分のお店で一緒に働きたいかどうか、判断する事でしょう。しかしながら、大抵のお店では、ここでひとつ問題が発生します。

「あなたこそ、私が待っていた人物です!」
そのような人材が、今までの面接で来たことがありますでしょうか?最初から有能でスキルを持っている人間が、いきなりあなたのお店に面接に来る確率は非常に少ないのです。優秀な人間は、あちらでもこちらでも引っ張りだこです。もしそのような人物が現れたとしたら、それは、宝くじに当たったようなものなのです。突然あなたのお店に、優秀なスタッフが現れる確率は少ないと言えます。

そこで、店舗の面接官は、少ない確率の中でも、その人物の素質・ポテンシャルを見抜く力が必要なのです。ポテンシャルとは、その人物が成長する可能性です、いわば、「のびしろ」です。その人物の未来の姿が、想像できるかどうかという事ですね。

もうひとつ心構えとして、知っておいてほしいことがあります。私は採用に関しては、妥協することはオススメしません。いくらアルバイトだからといって、いくら面接希望者が少ないからといって、妥協して採用してしまった場合、その後のチーム運営がうまくいった試しはありません。私の経験上、結局、短期間で辞めてしまったり、店内で問題行動を起こしてしまったりで、雇わなければよかったと後悔する結果になるケースが非常に多い、妥協はミスマッチの最大の原因です。

次に、採用希望者を面接する際にまず大事なのは、雰囲気作りです。これは、採用希望者も、面接官も、お互いリラックスした形で、本音での話ができやすくするために大事なことです。まずは、最近の出来事や、日常について親しみやすい話から始めていきましょう。

そしてなるべく相手の話を聞く側に回り、7~8割は、相手に話しをさせるような質問をする事を心がけてください。「~について、あなたはどう思いますか」とか「どのように、なぜ、そう思うのですか」などと尋ね、面接官は聞き役にまわってください。そして、相手の返答だけでなく、言葉使いや、仕草などそういった、メッセージ以外のポイントにもできるだけ、注意してください。

全体的には、
1.周囲の人に対する思いやりがあるかどうか。(明るくて優しそうか)
2.テキパキと仕事ができそうか(積極的に仕事に入っていけそうか)
3.お客様に良い印象を与えそうか(暗い感じはしないか)
4.主体的に話をしているか?(他人の責任や、環境の責任にしていないかどうか?)
などの点を頭に入れておいてください。

最後に、もう一度、面接官として挑む際に、気をつけておきたいことを3点お伝えします。一つ目は、小さなお店の場合は、経営者自身、もしくは店長が面接を行う事。これは基本的なことですが、とても大事なことです。意外にも、面接をスタッフに任せてしまっている経営者や店長が多いので、ここは必ずご自身で面接することを心がけてください。

二つ目に大事なことは、応募者も顧客の1人であるという認識です。ついつい、採用側と、応募側といった構図になってしまいがちですが、圧迫面接や、いい加減な面接をしてしまったがために、悪い噂が広がり、お店自身の信用を落としてしまうといった事態を何度も見てきました。

あの有名なディズニーランドの人材採用面接では、面接に入る前に、ディズニーショーを、応募者向けに無料で開催するそうです。一顧客としての対応を忘れない、さすがディズニーランド。といった具合になるわけです。応募者に対しても、顧客の1人であるという認識を忘れずに、対応するよう心がけてください。

3点目は、面接官は、経営者・店長自身で行ってくださいというお話をしましたが、採用の決定は、面接官だけで判断する必要はありません。現在働いてくれているスタッフにも、面接時にヒアリングした内容を、伝えることのできる範囲でオープンにし、スタッフ全員で採用、非採用を決めるという方法をお勧めします。

一緒に働くスタッフが、この人物と一緒に働きたいと感じるような人物かどうか、現場に確認する事です。更なる利点は、実際に採用が決まった際、あらかじめスタッフ全員が、新しい採用者を受け入れる体制ができます。何せ、自分達で判断したスタッフを採用するわけですから。そう言った点でも、面接官1人で決めずに、スタッフ全員の意見を取り入れることをお勧めします。

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