「1.3:1」の法則は、長さの人間が認識する認知心理学をもとに定義された法則です。1メートルの棒を一定時間見て貰った後に、1.1メートル、1.2メートル、1.3メートルと見せたときに・・・
全ては差ではなく、比で考える
1.2メートルまでは、さほど長さの差を感じなかった方も、1.3メートルの棒をみると明らかに長くなったと認識できるそうです。
よってだれもが差を認識できる「1.3:1」の法則は、差別化の数値の基準となりました。
もうひとつこのような数値を基準にしてマーケティングを考える時は、足し算や引き算ではなく、かけ算や割り算を用いることが大切です。
顧客は、価格に対しては、特に足し算ではなくかけ算を用いて考えることが多いからです。
100万円の品物を10万円引きで購入されているお客様を見て、次に自分が20万円する商品を購入する際に、10万円値引いて貰おうとはなかなか思わないですね。
恐らく、20万円の1割である、2万円引きあたりを要求するのではないでしょうか?
この例からもわかるように、顧客心理的なものは、全て、差ではなく比で考えることになります。
掛けたり割ったり、ときにはルートなどを活用していきます。
ボリューム
例えばアパレル店に於いて、他のお店が5段でブラウス棚を構成していた場合、差別化を図りたいのであれば、
5×1.3=6,5
となり、7段とすれば、他店よりもボリューム感を感じていただくことができます。
この公式は、割引率を考える時にも役に立ちます。
割引率
1割引や、1.5割引ではなかなか反応してもらえないお客様でも、
1÷1.3=0.77
となりますので、2割から2.3割り引きとなると、お客様がお得感を感じていただけることになります。これは、今までの既存のお客様だけでなく、新規のお客様が増える可能性がある割引率となります。
売り場面積
さらに売り場面積の場合を考えると、縦×横=面積となりますので、それぞれ二乗する必要あります。
1.3の二乗:1の二乗=1.69:1
他店が10坪で、特定の商品展開を行っているようであれば、差別化するためには、16.9坪(17坪)でその特定商品展開を行えば、品揃えが良いと感じてもらえることでしょう。
ちなみに、もうひとつ簡単な数理マーケティングのひとつをご紹介しておきます。
ルートの使い方
例えば、ある宝石店で、1万円から100万円の価格帯の品揃えがあるとします。顧客は、このお店の平均的な価格はいくらぐらいだと認識するでしょうか?
例えば、ざっくり50万円と普通なら中間を取りますが、比率で考えるとルートを使う必要があります。
ルート√1万円×100万円=10万円
上記のように、顧客が感じるこのお店の平均値は10万円あたりとなります。日本人は特に、真ん中のプライスラインを好みますので、この10万円あたりのラインに商品ボリュームを多く持つといいでしょう。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました!