「成果」を創り出すのは、日々の活動の積み重ねです。日々の活動をただ漠然とやり過ごしていては、それなりの成果(成果獲得のスピードが遅い・成果物の量が少ない)しか得ることはできません。またコンサルタントのやってしまいがちな落とし穴について今日も反省です。
鮮明な「目的(理念)」と「目標(計画)」を共有する
高い目標に向かって、懸命に努力してはじめて、大きな成果を得ることができます。 故に、大きな成果を生み出すための日々の活動は「どのような目標を設定するか?」によって決定づけられます。
鮮明な「目的」と「目標」を持って、業務の効率を高めていく姿勢が重要であり、自らの活動効率を高めていくことができない人間は、指導店舗の経営効率を高めることはできません。
店舗の収益向上が仕事の目標であるため、甘えは許されない。収益向上の役に立たなければ、評価されず、稼ぐことができない。そして、コンサルタントにとって、商品は自分の知恵。徹底的に勉強するしかないということです。
しかし、優秀であればあるがゆえに失敗する落とし穴が潜んでいます。
あるミーティングでのケース
例えば店長をやっていて優秀な人が、コンサルタントやスーパーバイザーという仕事に就いたとします。 現場で優秀でなければ、「現場の店長を指導する」ということなんてできないからですね。
しかし、この「優秀な店長」であったからこそ、犯しやすい過ちがあります。 あるミーティングでのこと。原価率が高騰しているA店の店長に、「適正な発注量」を教えるように経営者がコンサルタントに依頼しました。
早速、コンサルタントはA店の店長に指導したようで、 半月後、原価率を確認するとすぐに2%削減することに成功したようでした。
本当にここを勘違いしているコンサルタントが多い
そして、経営者がミーティングの際にコンサルタントに、
A店の原価率下がったね。よくやったじゃん!
と褒めたところで、
で、どうやって店長に指導したの?
その答えを聞いた途端、その経営者はコンサルタントを厳しく叱責しました。さて、なぜ厳しく叱責したのでしょう?
その理由は次のとおりです。 経営者はコンサルタントに、実は、次のような依頼をしたかったのです。
A店の店長は、適正の発注量が分かっていないから、それを教えてあげて。
ただ、そのまま教える(「この数量でこれから発注して」と指示する)と、自分の間違いに気付かないから、たとえば、平日10万の売上の際に必要な在庫数をすべて出させて、それをコンサルタントが見てその発注数を訂正するようにしてあげて。
しかしながら、このコンサルタントは店長と発注数量を1品ずつ見直すことを面倒に感じてしまい、自分で10万の売上に対しての発注数を計算し、それをそのまま店長に渡し「これで、これから発注して」と指示しただけだったのです。
経験のあるコンサルタントが発注量を決めてそのとおり発注させれば、原価率自体は下がるでしょう(現に、適正原価率になりました)。
しかし、店長自身の成長にはつながらないのです。なぜなら、自分の発注量がどの程度間違っていたのか、また、適正量はどの程度なのかを自分で理解することができないからです。
ということは、また、この店長は同じミスを必ず犯すことになります。 このコンサルタントは、仕事はしたかもしれませんが、「自分の仕事は果たしたと言えない」のです。 なぜなら、「店長を指導していない」からですね。
今日、久しぶりに指導先でそんな経験をしました
今日、指導先のクライアントに対して、ついつい指導するのが面倒になり、指示をしただけで終わらせようと考えてしまった自分がいました。
なんとも懐かしい。昔は、すぐそうやって、簡単な方に逃げていたなぁ。
なんとか思い直して、根気よく指導を続けました。コンサルタントは頭が良く、何でも解決できてしまうことが価値ではありません。
いかに頭が悪く思われたとしても、相手に気づきを与えることが、我々コンサルタントの価値であり仕事だと私は信じて止みません。