ランチェスター経営では、従業員100名までの事業所の場合、儲かっているか?儲からないか?は、99.9%経営者自身の責任であるということが言われています。ちょっと理不尽かなとは思いますが、実際、そうなんです。無料できること、まずは、これからやってみましょう。
やっぱりうまくいくかいかないかは、経営者であるあなた次第
よく経営者の方から相談される内容で、こういったものがあります。
「うちのスタッフ言うこと聞かないんだよね~、富田さん、なんとかしてくれない?」
この言葉を聞くと、どうしても私は、その経営者の方に言いたくなるのです。
「スタッフが言うことを聞かないのは、一体誰の責任なんでしょうか?」
スタッフが意見を言わない、スタッフが、やる気を出さない、スタッフが・・・これからの問題はすべて、スタッフに責任があるのではなく、経営者自身に責任があるのです。
経営者の意識の現われが、お店の現在の状態なのです。ですので、何故?という質問ではなく、
- どうすればスタッフたちのやる気が変わるのか?
- どうすれば、スタッフが言うことを聞いてくれるようになるのか?
常に「どうすれば?」の視点で、経営課題に取り組むべきなのです。
原因追及過去質問から、計画立案未来質問へ
この「何故?」から「どうすれば?」に意識を変えること、それが繁盛店への第一歩になります。 次に私が経営者の方に質問する内容はこちらです。
「どうしてあなたは、この店舗を作ろうと思ったのですか?」
独立した当時の、経営者の想いを確認します。夢と野望に燃えて独立、しかしながら、1年経ち、3年経ち、5年経っていく中で、開業当初の情熱は薄れていきます。
だからあえて質問するのです。経営者であるあなた自身が、
- 何故このお店を開業するに至ったのか?
- 創業当初の想いは?
- そのときの苦労は?
その原点をもう一度思い起こす事が、実は、あなたにしかない、あなた自身の武器が何かを明確にしてくれるのです。
夢が無い経営者のもとに、夢のあるスタッフはやってきません。お客様もなかなか定着しません。そこで、この経営理念というモノの本質についてさらに詳しくお話していきたいと思います。
理念で飯が食えるか?
大企業ほど、この経営理念を明確に掲げ、その企業の目的を、顧客のみならず、従業員すべてに浸透させています。
理念とは、企業にとって、目的の明確化、その会社で働く理由、そして、顧客に対する価値を明確にし、伝達するための手段であると言えます。
私が、まだコンサルタントとして、働き出して間もないころ、
「経営理念を創ることが大切なんです!」
と声高々、お客様に説明していました。しかし、そのクライアントから返ってきた言葉は、
「経営理念?!そんなもの、作ってお店が儲かるなら、苦労しないよ!」
確かに、経営理念作ったらお店が儲かると知っているなら、店舗経営者全ての人が、この経営理念とを作るでしょう。
しかし、約8割の店舗経営者が、この経営理念を創らないのは、創る大切さを知らないからです。
理念は憲法
店舗にとっての経営理念とは、そのお店の存在理由とも言えます。あなたのお店が、この世の中に必要な理由。
その理由が無ければ、このお店を存続させる必要がありません。 経営者自身のために、働く従業員のために、お客様のために、地域社会のために、そして、世の中のために、提供する価値は、いったい何でしょうか?
さらに、店舗にとっての経営理念は、お店の憲法とも言えます。この憲法を基にすべてのスタッフが働きます。
マニュアル作りも、接客態度も、商品もサービスも、この憲法にそぐわないものは、却下します。
もちろん経営者であるあなた自身も、その憲法に基づいて、経営判断をしていく必要があります。
常に自分自身が自分の言動を点検する必要がある
経営者も人間です。間違いもありますね。しかしながら、理念の無い店舗では、経営者の意見は絶対になってしまいます。
経営者に「間違ってますよ」と面と向かって言えるスタッフはほとんどいないでしょう。何故ならば、スタッフがどれだけお店を良くしたいと思っても、その忠言が正しいのか正しくないのか、スタッフ自身も、判断する事ができないからです。
しかしながら、理念という憲法があるお店はどうでしょうか?その憲法に照らし合わせて、経営者が間違った判断、行動をとった場合は、従業員が、その理念の基に、経営者に伝えることができます。
ここで大事な事は、従業員の価値観ではなく、経営者自らが立てた経営理念に反れているという事実を伝えるだけでいいという点です。
さいごに
経営理念は、店内のコミュニケーションの柱となるのです。 夢のあるお店と夢の無いお店、冒頭で触れましたように、経営者の意識が店舗を創ります。
ですので、経営者自身が、夢を持っているか?持ち続けているか?ということが、お店の運営にとって非常に大切なポイントとなるのです。
すこしの時間でいいので、お店からちょっと離れた場所で、コーヒーでも飲みながら、リラックスして自分の意識を見直ししてみませんか?