「 コア・コンピタンス経営」は経営学者のG・ハメルとC・K・プラハラードが1994年に著しました。そこで議論されているのはコア・コンピタンスに基づく戦略論です。コア・コンピタンスとは、顧客に価値をもたらす他社にまねできない企業の中核力です。
コア・コンピタンス経営
それは自社の持つ一連のスキルや技術の固まりとして捉えられます。この本が出版された90年代、IT(情報技術)を使って業務プロセスを抜本的に見直すビジネス・プロセス・リエンジニアリングという経営手法や、企業をダウンサイジングするリストラクチャリングが注目されていました。
ハメルらはそれらの重要性を認めつつもそれだけでは不十分だと主張します。
企業が何十年も成功を繰り返すためには、コスト削減だけではなく収益拡大のほうがより重要だと説きました。
コア・コンピタンスという自社の強みに着目することによって、そこから何ができるかといった未来の可能性を模索する姿勢が生まれ、成長につながるとみたのです。
自分達の強みを、未来のどこに活かしていくのか?
これまでの戦略論はどちらかというと、従来の業界の枠組みにおける企業のポジションに焦点があてられていました。
これは、魅力的な業界はどこか、そこでどんな競争優位を構築するのかという考え方です。
その基本思想は「どこで戦うか」にあります。マイケル・ポーターがこの考え方の第一人者です。
一方、コア・コンピタンス経営の基本思想は「何を武器に戦うか」にあります。これは資源ベースの戦略論と呼ばれる考え方です。
コアコンピタンス経営の活かし方
企業に長期的な繁栄をもたらすためには、従来の業界の枠組みにおける市場を支配する競争戦略以上に、コア・コンピタンスで業界を再構築することがより重要となってくるのかもしれません。
その意味では、企業をコア・コンピタンスという資源・能力の集まりであるという捉え方をして、明日に向けた競争に備えていくという認識も持つべきでしょう。
そもそもコアコンピタンス経営とは自社のストロングポイントを最大限にいかした経営方法です。
コアコンピタンスの字義的な意味も、
『コア(核・中心・中核)』+『コンピタンス(力量・能力)』
という意味を持っています。つまり自社の中心核を成す能力を最大限にいかす経営方法だと言えます。
その為には自社の分析や学習に努めなくてはなりません。
- 『自社にしかできない強み』
- 『自社しか持っていない特殊能力』
を最大限の武器にし経営戦略を有利に進める事を目的にするなら、すぐにコアコンピタンス経営にシフトチェンジする事が可能です。