計画について考えているとき、私自身が何度も失敗してきたふたつのポイントについていつも自分に言い聞かせるようにしています。完璧主義は、ちょっとでも予定通りにいかないとやる気を失います。またその計画をどのように一緒に働くスタッフに伝えるか?本当に経営者の頭の使いどころだと思います。
完璧主義者の落とし穴
完璧を求めない。 やりたいことを実現すること、なりたい自分になること、それが実際にできるかどうかにおいて重要なのは、自分に合ったスケジュール管理の方法を見つけることです。
- 「資格を取りたい」
- 「人脈を広げたい」
- 「○日までに○○を納品する」
などの目標が定まったら、直近の1週間をどう過ごすか、具体的な行動として考え、スケジュールを組んでいきます。
真面目な人、完璧主義な人ほどスケジュール管理が苦手であるという傾向があります。
大切なのは、
- スケジュールに”遊び”を持たせること。
- スケジュールの組み方に完璧さを求めないこと。
どんなに目標をしっかり持ち、やらなければいけないこと、やりたいことをリストアップしても、突発的な仕事や用事はどうしても出てくるものなのです。
スケジュール通りにいかないのが当たり前。8割こなせればよしとし、「スケジュールを立てること」も重用ではありますが、より重要なのは、なぜこなせなかったのかを振り返って考え、次週以降に生かすことです。
そのためにも、自分の中で特定の曜日を決めて、その曜日には過ごしてきた1週間を振り返り、次の1週間の予定ややりたいことについて考える時間を持つようにします。
計画は、かならずスタッフみんなと共有する
お客様との関係を深めるアクションは、日々現場で実施され、成功につながったアクションも生まれています。
そのノウハウは、各個人の中に貯まっていきますが、会社全体としては貯まっていません。それはあまりにもったいないことでしょう。
お客様との関係を深めた成功アクションを集めて、分類し、会社のみんながいつでも、どこでも、スタッフなら誰でも、お客様が喜んだ成功アクションを確認できるようにすることが大切です。
計画などの重要な事項の共有は、多くの会社で展開されていますが、現場で活用されずに頓挫することがよくあります。
その理由は、成功アクションを一定期間収集すると、その量がありすぎて、「今の直面している課題」に、どの成功アクションが活用できるのか分からないからです。
いくら成功アクションの事例がたくさんあっても、現場の皆さんが欲しい情報がすぐに引き出せる状況になっていないと、活用されません。
結局、今までの自分自身の経験の中から、情報を引き出すので、新しい取り組みや、成果に繋がりません。 目標・計画を作り、それを社内で共有し実行・フォローしていく、というプロセスをきちんと実行する必要があります。
目標・計画は、誰かに強制される訳ではありませんし、作るのにある程度の手間もかかります。
また、作ったからと言って即日売上に直結する訳ではありませんから、経営者がその有用性を理解し、ある種の熱意を持って導入しなければ、会社に根付かせることは難しいでしょう。
社内共有の有用性
では、目標・計画を立てて社内で共有することについての有用性はどんなところにあるのでしょうか。
「会社の目標・計画」と「社員一人一人の将来」がうまくつながっている計画を作り共有することで、社員が経営への参加意識をより強く持つようになり、自発的、積極的に仕事へ取り組むようになると思います。
経営者、社員を問わず仕事をする上で「何のために?」という目的意識は非常に大切だと思います。
「何年先にこうなりたい」と思って行う仕事の積み重ねと「ただ今日の延長線上の明日」で行う仕事の積み重ねでは、その結果に大きな差が生まれるのではないかと思います。
さいごに
「こうなりたい」と思って行った意思決定や行動に対する反省や検証と、場当たり的に行った意思決定や行動に対する反省や検証では、その「深さ」が違い、会社や経営者に蓄積される経験やノウハウも前者の方がすぐれ、次回の意思決定や行動にプラスの影響を与えると思います。
経営者自身が主体的に会社の目標、計画を作りそれを社内で共有する。そういったスタンスが非常に重要になってくるのだと思います