人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)という言葉が大好きです。良いことと思えば、それが縁となり、悪いことが起こる。悪いことが起こったと思えば、その縁をきっかけに良いことが起こる。何が良くて、何が悪いかわからないという言葉として知られていますが・・・。
人として生まれて死ぬまでの間
人間万事塞翁が馬。何が良くて何が悪いか分からない。そういう意味で教わりましたが、もう少し深く意味合いをを捉えてみると、人間はにんげんと呼ばず本当は、じんかんと読みます。
人の間という意味で、人間として生まれたこの人生において、良いも悪いも、苦楽中半というよに、半々。幸せばかりでもなければ不幸せばかりでもありません。
相対の世界
この世の中に絶対は存在せず、全ては相対の世界でなりたっています。
- 明るい暗い
- 楽しい辛い
- 好き嫌い
- 貧富
- 偉い偉くない
- 早い遅い
- 成功失敗
- 勝ち負け
- 上下
- 助ける助けられる
- 愛情憎悪
- 楽しいつまらない
- 賢愚
- 老若
- 男女
- 可愛い不細工
- 幸せ不幸せ
などなど、あげればきりがありませんね。
とにかく絶対は存在せず、必ず自分ではない誰かや何かと相対で考えないとその価値を見いだせないわけです。
それは、比べる何かが必要ということで、自分以外の何かが存在しないと、自分自身を表すことができない世界に生きているということです。
人が万物の霊長と呼ばれている意味
人間は万物の霊長と呼ばれています。身体能力どれをくらべても、なかなか他の動物に勝つのは難しいのに、すべての生命の頂点に君臨しているのは、頭脳があるからですね。その頭脳は未来を描きます。
未来を想像し創造する力は人間という境涯にのみ与えられています。そしてそれは、
- もっとよくなりたい
- いまよりも幸せになりたい
- もっとこうなりたい!
などそのために、いろいろなことを知りたい、知り尽くしたいという欲求です。
因縁果
そして自分達が相対の世界で生きているという事を知り、ふと考えてみると、事象はそのまま結果に繋がらないことが分かります。
Aという原因に対して、必ずCという結果がでるわけではないということです。かならずその間に、Bというフィルターがかかります。
自分自身の考え方から、他人との関係性、今の環境すべてのバイアスがかかり、Cという結果が生まれるときもあれば、Zという結果が生まれるときもあります。
そのフィルターのことを、「縁」と呼んでいます。
今日は、たまたま自宅でドラマ「アルジャーノンに花束を」を見ていました。中学生の頃から大好きな本でした。さく君の台詞です。
たまたま好きになった人が、たまたま他の人を好きだっただけだ
ただそれだけの事象に、人は、論理的思考ができなくなり、衝動にかられ、様々な結果を導き出します。
感情と知欲
しかし冷静に考えれば、ただそれだけの事です。でも冷静に考えられなくなるのが、私達人間ですね。
相対の世界にいながら、絶対を求めるのが人の性質であると言えます。
だからこそ、外の世界に絶対を求めるから、外には相対しかないのに。もしも絶対を求めるとしたら、もしかするとそれは、自分の内にしかないのかもしれません。
すべては、良きことか、良きことのために起こる
これは自分の中で、自分で決めることです。私は、私をとても大切にしてくれていた経営者から、そう教わりました。
しかしながら、なかなかそこまでの域に達しません。でも少しでもこう自分の中で決断できるようになりたいと日々、考えて生きています。
真っ白な世界に、特に生まれたことに意味のない世界で、キャンパスに自由に絵を書いていいよと言われたのに、どうしても現実の、相対の世界にしがらみにがんじがらめになる。
人には、冒頭に話した欲求の他に、感情というものを持っています。感情があるから、人は幸せを感じ、不幸を感じます。
幸せについて本気出して考えてみた(ポルノグラフティ)
感情に振り回されることが沢山あります。「アルジャーノンに花束を」のさく君は、頭が良くなる代わりに、感情が薄れていきます。
- こどもよりはやく大人になるということが幸せ。
- 文明が発達している国で過ごすことは幸せ。
大人よりも明らかに子供の方が笑っていたし、日本の自殺者数は半端ありません。感情は知欲と同じように、人間から引き離してはいけないし、何よりも自分の感情を自分が大事にしなければならないということを、ふと思いました。
決めるのは、外ではなく内から、そして外に影響していく。
たくさんある感情の中で、少しずつ、人と比べずに、自分の内側だけで決めていくこと。決めるとは他の事を捨てるのと同義。
- 大切なもの手放す
- 違う進路を選ぶ
- 好きなものを捨てる
- 好きな人と別れる
- 夢を捨てる
- 生活を捨てる
- 古いこだわりを捨てる
- 今までの考え方を変える
- やり方を変える
- いままでの環境から抜け出す
- 新しい世界に足を踏み入れる
その他もろもろ。
外的な決断には、感情に副作用があります。でもそれらの副作用は、やはり外の世界です。内の世界では、減るものはあるように思えて、実はないようにも思います。内で決めたことが外にあらわれるだけですね。
人と比べて、ある・ないを決めるということを捨てて、自分の中で「ある」と決める。わき起こる感情と振り回してくる感情と、少しずつ向き合いながらですが。
さいごに
でも感情があるから、人は未来を描き、幸せを感じることができる
生死も相対ですね。いつまで生きていられるかなんてわからないですが、もし明日があるなら、これからも、極端ではなく、まんなかでもなく、ちょうどいいところを見つけていきたいと思います。
この曲も、中学生で初めて聴いて、それから、ずっと大好きな歌でした。アルジャーノンに花束をの主題歌です。