アサーティブの意味とアサーティブコミュニュケーションの概要

アサーティブの意味とアサーティブコミュニュケーションの概要を職場における部下・後輩への指導方法を想定してお伝えします。

アサーティブとは?

まずは「アサーティブとは?」というところからはじめて行きましょう。アサーティブとは?相互尊重の主張法のことです。

この10年ほど前にはあまり聞かれなかったような、職場での人間関係の課題が最近は多々見受けられるようになりました。たとえば、

いろんな考え方、価値観を持つ人がいるのが当たり前。そんな中、たとえば後輩に指導したらついつい言いすぎてパワハラになってしまう、そんなリスクがあって言いたいことが言えないので、本来やるべき指導ができない。そんなことありませんか?

たとえば年上の部下に対して、言うべきことを言わないといけないときでも。中々口に出すことができない。もしくは、面と向かって話しづらいので、遠回しにため息や雰囲気で伝えようとしてしまう。なんてこともありますよね。

入社数年目のみなさんの状況も、なかなか大変ですよね、自分の仕事を抱えながら、新人の指導もしないといけない。

現場のことをいまいちわかっていない上司と、ツイッターなどのSNSでいいね!を送りあうが、面と向かってはコミュニケーションがとれない後輩に挟まれています。

勤続年数的にもそろそろ自立を求められてくる立場で、失敗が許されなくなってくる重責がその肩にのっかってきています。

私自身も本当に苦労してきました。入社し営業職3年目の頃、チームリーダーになりました。チーム3名、すべて年上でした。

マネジメントのマの字も、コミュニケーションのコの字も知らない中で、指導法なんて教えてもらったこともありません。

自分よりも年上の部下に対して、仕事の指示を行うとき、プライドを刺激しないように、下手に機嫌取りをしてみたり、何度言っても言うことを聞いてくれないことに対して、冷静に「なんでなんですか?」とつめてしまったり、わざと深いため息をついてみたりと、

どうやってもそのあとの関係性がよくなることもなく、相手から話しかけてもらうこともなくなってしまい、状態が改善されることもなく、頭を抱えていました。

そこで、このアサーティブなコミュニケーションスキルを学ぶということは、特に自分と違う価値観、違う立場の相手に、相手の立場や気持ちを尊重しながら、自分の要望や提案を、相手に対しても自分に対しても誠実に、率直に本当に伝えたいことを伝わるように伝える。

そして立場は違えども同じ人間として対等に伝え、問題の解決を図っていきます。それがアサーティブに伝えるということになります。

相互尊重の主張法ですので、「はっきり」と伝えるけど、その後の関係性を保つ、それどころか、関係性がよりよくなる。

まさに双方が納得し結果を出すための、実践的なコミュニケーションの力・スキルがアサーティブということになります。

まずは伝え方のスキルの部分から、いきましょう!

伝え方のスキル

基本中の基本はまず、「事実・感情・要求」の3つのポイントを整理します。

例えば、相手に注意する前に、まずは、「どうなってほしいのか」というゴールを定めたうえで、「何が起きているのか」という”事実”、それに対して「どう感じたか」という”感情”、そして、「何をしてほしいのか」という”要求”を順番に整理していきます。

“事実”を整理する際に注意したいのは、相手だけでなく、自分の言動も含め客観的に観察すること。例えば、思った通りの報告書が上がってこなかったとしたら、それは自分が明確な指示を出さなかったからかもしれません。

そして、次に、事実に対する自分の”感情”を誠実に言語化します。感情を言語化するということは、感情的になることとは違います。

例えば、何度言っても言うことを聞かない部下がいたとします。これに対して、「もう、いい加減にしてくれ!」というのは、正直な気持ちを口にすることなく、相手を一方的に責める感情的な言い方です。

しかし、「何度も言っているけど、私の言っていることが伝わっていなくて残念だ」というのはどうでしょう。これが、正直な気持ちを口に出して言うということ、つまり感情を言語化するということなのです。

最後に、どんなことを部下に求めているのかという”要求”を明確にしてください。要求は具体的かつシンプルに、そして、「人格を変えろ」とか、「過去に起きたことを変えろ」などという要求ではなく、相手がなんとかできる実現可能なことにしましょう。

例えば、整理すると、

事実としては、

・部下に対して、その仕事のやり方や重要性についてきちんと説明できていなかったため、理解不足でミスが起こった。
・部下に対して、その作業量をこなすだけの必要十分な時間を与えていなかったため、焦らせてしまっていた。
・部下を注意する時に、イライラして感情をそのままぶつけてしまい、部下を委縮させてしまっていた。

感情としては、
・ミスが起こったことで納期がずれて、クライアントに迷惑をかけることになったから困っている。
・些細なミスばかり繰り返していると、部下の成長のためにならないと心配している。
・その部下に期待しているからこそ叱っているのに、その気持ちが伝わらなくて歯がゆい。

要求としては、
・わからなかったら、その都度きちんと相談してほしい。
・時間が足りないのなら先にそう言ってほしい。
・ミスをしない方法を一緒に考えよう。

次に、あらかじめ整理しておいた”事実””感情””要求”を順序立てて述べます。事実は客観的、具体的、簡潔に説明してください。自分の主観で説明するのではなく、お互いが納得できる客観的な事実を述べることがポイントです。

マインドが大事

このように今回お伝えしたスキルの部分はとても重要です。さらに、そのスキルを支える心のあり方、姿勢とマインドについて、このあと「4つの柱」というものをお伝えします。

誠実、率直、対等、自己責任

相手にも自分にも誠実に、率直に伝わるように伝え、一人の人間として対等、言う責任、言わない責任、すべて自己責任です。

この「4つの柱」を心に置きながら、その中のひとつ「対等」について話をしたいと思います。

先輩、後輩など、上司、部下など役割上の上下は確かにあります。しかし、だからと言って、下の立場の人は、人間としての価値が低いわけではありません。

一人ひとりが大切な存在です。なので、上の立場の時に、心の中で相手を見下して偉そうにしたり、下の立場の時に、自分なんてと卑下せずに、

「人としての価値は同じ」という心の目線で人と接することで、ケンカになったり、押し黙ることなく、対等に話をすることができます。

これは、私が初めて部下を持つことになったときの話です。

私より1歳年上の部下Aさんは、何度言っても仕事の納期を守ってくれません。報告もありません。当時私は、とにかく仕事上では攻撃的なタイプでした。

「なんでなん?意味がわからん、なんで先に遅れそうなこと報告できひんの?なんなん、マジで、ええ加減にせーよ!」

その時は、「はい、わかりました」と答えてくれるのですが、結局改善されず、同じ事が10回以上繰り返され、さらに状況は悪くなるということがありました。

状況はさらに悪くなり、ほとんどAさんから話かけてもらうということがなくなってしまいました。本当に、どう接していいのかわからないという中、

ちょうどその頃、このアサーティブを学びだしたころの私は、まず対等というキーワードを思い出しました。

どこかで私はAさんのことを、見下したままコミュニケーションをとってしまっていのではないか?

どうせ言ってもわからないだろうとか、今までの成果を見る限り、仕事ができないやつなんだろうと決めつけて話をしてしまっていた自分に気づきました。

心の中ではAさんとは対等ではなかった、そのことがAさんにも伝わっていたのかもしれません。

そして自分は本当は何を望んでいるんだろうか?自分の正直な気持ちは何か?考えてみました。

私としては、とにかくAさんには腹が立つ、何故腹が立つかというと、本当はもっと仕事ができるはずなのに、どうやっても、状況が改善されないことが残念だという想いがあることに気づきました。

そしてその怒りはAさんと、これからもずっと仕事がしたいという私の期待の裏返しだったと気づきました。

上司と部下という役割であっても一人の人間として、対等に、ある日、こう伝えてみたのです。

「Aさん、いつもおつかれさま、この前、納期が遅れてしまった件なんだけど、毎回、納期が遅れると会社の信用が無くなってしまって、会社のメンバー全員の仕事がなくなってしまうかもしれないことを懸念してるねん。

心配で今までついつい強く言いすぎてきてしまったなと反省してるんよ。

なのでこれからはAさんと毎週一回30分ほど進捗報告の為のミーティングをしようとおもってるねん、どうやろか?」

言い方(スキル)は少しぎこちなかったけど、攻撃的にならずに、落ち着いて伝える事ができました。

その後もAさんは納期に遅れる頻度は格段に減り、毎回のミーティングで進捗報告をしてくれるようになって、Aさんからどうしたらいいか?などの相談もしてくれるようになりました。

他には、私が入社して2〜3年目の頃、本当に仕事が手一杯でも評価が気になり、人に頼むと評価が下がってしまうのではないかという恐怖心のもと、仕事を抱え込んでしまうという時期がありました。

しかしここでも対等という言葉を思い出し、年次の違いや経験値の違いはもちろんありましたが人として対等、同じ目的に向かって仕事する同志として、先輩にこう相談してみたのです。

「実はいま見込み客の訪問が直近で3件、契約締結が2件、ミーティングの準備、さらに新入社員のOJTなどでいろいろと業務が重なっており、このOJTの準備をする時間が全くない状態です。

正直なところ、めちゃめちゃ焦ってます。このままでは、新人に対する研修の質が低下してしまうのではないかと心配しています。

お忙しいところ申し訳ございませんが、このミーティングの配布資料のレジュメ作成だけ、先輩にお願いできないでしょうか?」

勇気を出して伝えてみたら、先輩は笑顔で、

「そんな仕事量あったんや、いいよ〜!手伝ったるわ!もっと早く相談してくれたらよかったのに」

と笑いながら言ってくれました。

私はそれまで、忙しい先輩に、私が仕事が追いつかないというと、泣き言言うな!と返事が返ってくるのではないかとビクビクして伝えることができなかったのですが、それは、私の勝手な思い込みでした。

ある意味、先輩へのレッテルを貼ってしまっていたのかもしれません。立場は違えど対等に伝えれば相手にも伝わるということを実感することができた貴重な経験でした。

それでは、またこのアサーティブについてはマインドやスキル両方さらに詳しい記事をこれからも書いていきたいと思います。

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