弊社のパートナーコンサルタントである、葬儀業専門コンサルタント藤本國秋先生から、激変する葬儀業界の現状と課題解決案をお伺いしました。阪神大震災前は、実際にセレモニーホールを経営していた藤本先生は、今、激変するこの葬儀業界の立ち会げ、収益改善コンサルティングを提供しています。

葬儀業界の現状

一般名詞化した「家族葬」、葬儀の業界では今や家族葬からの切口でないと葬儀の受注が取れなくなってきています。

日本消費者協会が行った「葬儀に関するアンケート」(2010年調査)では、「今後の葬儀のあり方」を聞いた項目があり、その結果は・・・

  • 形式やしきたりにこだわらない     56.9%
  • 家族だけの葬儀でよい         48.4%
  • 簡素、派手いろいろあってよい     38.9%
  • 故人や遺族の意見を尊重する      38.5%  
  • *葬儀も墓も不要と思う         7.3%

消費者意識として「遺族だけによるもの」・「費用が安い」・「形式が自由」などの認識がでてきており、葬儀業者に求めるものとして時代背景的にも、葬儀に対するタブーが昔ほど無くなってきています。

少子・超高齢社会が進展するなか、「形式やしきたりにこだわらない」「故人や遺族の意見を尊重する」など、昔から言われてきた葬儀理想論をふりかざすよりは、

「子どもが少ない」「会葬者がいない」世の中では、家族だけで送らざる得ない、より現実的な送り方を選択する消費者が増えてきていることを知るべきです。

2011年度売上高(2011年4月1日~12年3月31日)の前年度に対する増減傾向は、増加した事業者が63.3%、横ばいが18.0%、減少が18.6%となった。

半数以上の事業者が20%以内の範囲で増加しており、全体的に増加基調が強かったとみてとれる。

増加した事業者のなかでは、20%を超えて大幅躍進した事業者も10%近く存在する。

それに対して、減少した事業者ではマイナス20%を超えるような大幅減少はほとんどみられず、~10%の微減傾向が多い。

一般中小企業全般と比較してこの結果はどう評価できるか。

中小企業庁が実施する「中小企業景況調査」によれば、昨年の中小企業の業績は期を追うごとに売り上げが増加(加工額の前年同期比)した企業の比率がふえており、徐々にではあるが回復基調にあったといえる。

ただし、10年をとおして売上が増加した企業は13~18%の範囲にとどまっており、常に半数前後の企業は減少している状況であった。

つまり、昨年はほとんどの中小企業で業績が横ばい~低下している状況であり、そのなかにあって半数以上が売上増加を果たした葬祭業は、非常に成長力のある産業と評価できる。

新時代の葬祭会館 会館リノベーションの基本視点

葬祭会館のクオリティが近年、急速に向上してきております。しかしながら、残念なことに遺族控室等を簡易な畳敷きの部屋で対応しているところが、いまだに多くあります。

これはやはり「式場」に重きをおいたプランニングが、依然として多数を占めているからです。

リノベーションを実施する場合に、「施設がまだ使える」という意識を捨て去り、

「いま何が施設に必要か」

「どのような空間づくりが今後のサービス提供に最適なのか」

を検討し、リニューアル後の会館の「方向性」を明確にすることが重要です。

施設(ハード)から考えるのではなく、市場動向や葬儀の未来予測、自社提供サービスの内容、トレンドなど、将来的に会館のあるべき姿(コンセプト)を明確にすることにより、自ずと判断ができます。

利用者の目線に応える

昨今の会館計画は、式場中心の計画から遺族控室中心の計画へとシフトしています。

式場計画では、すでに、白木祭壇を正面に設けるという従来の固定的な考え方を脱し、生花祭壇をアレンジする、柩を空間の中央に設ける、外部の景色を取り込むなど、さまざまな取り組がなされてきております。

しかし、会館の利用(滞在)時間という点に視点を変えれば、利用者(葬家)が最も長く滞在するのは遺族の控室です。

従来、会館計画のなかで後回しされてきた遺族控室が、実は大きなセールスアピールできる事柄です。提供者の目線から利用者の目線に応えることで、コンセプトが大きく変わってきます。  

現在、リノベーション計画で多いのが遺族控室の充実です。式場に遺族控室が付帯しているのではなく、遺族控室に式場が付帯しているというような大胆な発想が必要です。

かっては、会葬に訪れる大勢の人々を効率よく収容し、効率よく葬儀を進行するために考えられた「葬儀会館」という施設が、近年、葬儀業界に大きな変化をもたらしている「家族葬」という葬儀形態の普及に伴い、遺族・親族が集う控室の充実が大きな課題と考えて下さい。

「質」志向に転換し、わかりやすい空間づくり

葬祭企業は今後、「量」(収容数)志向から「質」志向へと変化しなければ生き残っていくことはできません。

会葬者の収容数といった「数」の論理から、空間サービスの「質」や提供する商材の「質」等を会館計画の中心に据えるべきです。

リノベーションをしても企業にその意識がなければ、その投資は失敗に終わります。 施設型サービス業になっている葬祭業界にとって、施設の充実を図ることは、競合する葬儀会館から消費者に選択される第一歩です。

「差別化」「差異化」と叫んだところで、提供されるサービスの差別化・差異化はむずかしく、消費者も判断が付きにくい。

サービスが提供される空間こそが、誰にでも簡単にジャッジできる差別化・差異化です。

施設が「時代不適合」であったり、利用者にとって快適な空間でなければ、サービスの質をいくらアピールしたところで、わかりやすい差別化にはつながりません。

計器・設備も大切

会館のコンセプトを明確にすること、サービス内容を明確にしたデザイン設計がなされることの重要性を記してきましたが、椅子等の什器・備品にも気を配る必要があります。

コンセプトが明確で、コンセプトに沿った素晴らしい空間がデザインされても、椅子などの計器でその空間が台無しになる事が有ります。

畳の生活を長くしてきた日本人は、椅子に対する意識がまだ低いところが有りますが、椅子などの計器・備品は、会館設計とマッチさせたものを選ぶことも大切なことです。

最後に

葬祭会館は、それまでの自宅や公民館等に代わる「葬儀をする場所」として開設された時代から、収容規模や施設の豪華さを競った時代を経て、現在は目的に合った葬儀が行える場所へと変化してきています。

目まぐるしく変化する葬祭業界において、葬儀会館の重要性はますます大きくなっています。直営施設、家族葬会館、一般的な葬儀を行う会館など多様化する葬送ニーズに対応し、ハッキリしたカテゴリーを決め取り組むことが重要です。

提供サービスを、今や葬儀の主流である「家族葬」「小規模葬」に特化し、適正安価な提案をすることで発展は大いに見込めると思われます。

藤本國秋先生プロフィール

藤本國秋

コンサルタント理念:葬儀サービスの透明化を図り、新しい葬儀文化を創造することで、安らぎを感じられる社会の実現に貢献する

葬儀社コンサルタント。葬儀紹介サイト「葬儀館」(関西)、終活(老い支度)、㈱エフプランニング代表取締役。社団法人ジャパンコンサルティングアソシエイツ認定コンサルタント。

1948年兵庫県生まれ。39歳で代表を引き受けた会社が1995年(平成7年)の阪神淡路大震災で壊滅的な打撃を受け7年で収支改善をなしとげて、地元大手企業との業務提携を行い代表権の譲渡を行った。

その後、従来からの知人である方からの委任により代表取締として、関西(全国)で初めての家族葬専門葬儀社の立ち上げに係り4年間で軌道に乗せ、委任者にお返しする。

現状では小さな家族葬専用3式場で年間600件の葬儀依頼を受けている。

現在は、運営に問題を抱えている中小葬儀社からの依頼に応え経営改善、集客の仕組み等のコンサルを実施し着実に実績を出し続けている。さらに、葬儀社のみでなく高齢者社会に対して、異業種(士業)とのネットワークを構築して、終活(老い支度)や葬儀後のアフターサポートにも力を注いでいる。 常に消費者の目線からの考え方を身上としている。

葬儀業界のコンサルタント

新しく葬儀業界に参入したい企業様や、現状の売上を改善したいと考えて経営者様に向け、葬儀業界コンサルティングを提供しております。

はじめてみたい葬儀ビジネス・・・ 「これからの葬儀はどうなるの!」

我が国は、本格的な高齢者社会を迎えており、葬儀マーケットも2028年には死亡人口が180万人との予測がなされています。 葬儀業界は益々成長の一途をたどっていくの?

そんななか、葬儀ビジネスに興味や関心がある方、現状の葬儀の在り方や今後への新提案を考えておられる方に、現状主流の「家族葬」への取り組みで「成功のために、何をなすべきか!」また、今後は消費者から求められるであろう革新的な葬送プラン「マイダビ葬」の説明をいたします。 新しい一歩をふみだしてみませんか!

その他、

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  • 葬儀業の売上改善
  • 葬儀サービスの新たな提案
  • 新たな葬儀サービスの形態「マイダビ葬」について

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2015/04/29

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