この間違いも意外に多く、前記事の経費削減話と同じ種類の問題です。 よく、店舗経営の指南書を拝読すると、○○業界での、原価率、人件費率の平均は、○○%であり、それを上回る場合は、すぐに経費を見直しましょう!と書いてあります。

業界の平均値を信用してはいけない

私も、当初は、こういった業界の平均値を守るように、コンサルティング指導をしてきました。

しかしながら、この業界の平均値は、かならずしも、その店舗にとって最適な数字ではないのではないかと疑問に思うようになってきました。

と、いうのは、様々なお店の経営状態を、ある期間ずっと観察してきた結果、売上が向上しているときの原価率や、人件費率は、平均値よりも低く、売上が下がってきている時の原価率や、人件費率は平均値よりも高いというようなひとつの法則を見出しました。

スケールメリット

これはある意味当たり前かもしれません。売上規模が拡大すると、原価率、人件費率は自然に下がります。ということは利益率があがりますね。

これを「スケールメリット」と呼んでいます。 多くのお客様が来店することにより、在庫の無駄を省くことが可能になったり、より多くの材料や、商品を仕入れることによって仕入れ原価が下がったり、スタッフ1人頭の売上が向上するため、結果、売上に対して、経費の比率は下がるのです。

ですので、売上が向上しているときは、よっぽどラフな管理をしていない限り、原価率、人件費率が上がることはありません。

逆にスタッフの満足度、顧客の満足度を下げないためにも、これらの比率が下がり過ぎないように気をつけなければならないくらいです。

問題は売上げの低下時です

そして問題は、売上が少ないときに発生します。売上が少ないときは、原価率、人件費率ともに、業界の平均値より上がってしまい、余計に利益を圧縮してしまいます。

そこで、業界の平均値へ数値を調整するために、原価、人件費の削減に乗り出すことになってしまうのです。

そうなると、過度な人件費・原価削減は、スタッフのモチベーションと、サービス品質を下げ、売上を下げてしまいます。

そしてなんと、いつまでたっても、経費と一緒に売上もさがり続ける結果になりますので、一向に原価率、人件費率が下がることはありません。

むしろ結果、比率があがってしまうことすらあります。こうなってしまっては、なんのための経費削減でしょうか?

利益が確保できないときの考え方

売上が少なく利益を確保できないときは、業界平均値まで人件費や、原価を削減する事に目をやるのをやめて、こうすればいいのです。

まずは、自店の売上の高かったころの原価率、人件費率を、割り出します。現状の原価・人件費を、その各比率でわれば(÷)、目標とするべき売上が算出できます。

各経費の比率を考える場合も、あくまで経費削減ではなく、売上の目標を追っかけるように徹しましょう。

さいごに

ただ、これらの経費管理に関しては、日頃のこまめなチェックがかかせません。経営数値の問題に関しては、発見が遅れがちです。

自店にとっての適切な経費の比率を、売上の推移毎にしっかり算出しておき、それを基準に、現状の経費比率がどうか?

毎日チェックする必要があります。 そうすることによって、経理上、財務上の問題をいち早く察知し、対応することができるようになるのです。日々の数値管理を怠らないように、気をつけてください。


2015/04/18

コンサルティング